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ドクターズコラム

RSウイルス母子免疫ワクチンについて

2024.10.17 UP

RS ウイルスは世界中に広く分布しており、生後 2 歳までにほぼ 100%が感染し、

乳幼児における肺炎の約 50%、細気管支炎の 50~90%がRS ウイルス感染症による

とされています。特に、生後 6 か月未満で感染すると重症化することが示されてお

り、合併症として無呼吸、急性脳症など、後遺症としては反復性喘鳴(気管支喘息)

があります。日本では、毎年約 12万~14 万人の 2 歳未満の乳幼児が RS ウイルス感

染症と診断され、約 3 万人が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません。2024 年1 月18 日に 「妊婦への能動免疫による新生児及び乳児における RS ウイルスを原因とする下気道疾患の予防」を適応症として、組換え RS ウイルスワクチン(販売名:アブリスボ筋注用、以下、RS ウイルス母子免疫ワクチン)が製造販売承認を取得し、2024 年 5 月 31 日に販売が開始され、一般診療でも接種可能となりました。RS ウイルス母子免疫ワクチンの機序は母子免疫であり、妊婦に接種することにより母体の RS ウイルスに対する中和抗体価を高め、胎盤を通じて母体から胎児へ中和抗体が移行することで、乳児における RS ウイルスを原因とする下気道疾患の予防に寄与することが期待されます。

本ワクチンの助成について、北海道産婦人科医会として北海道に要望書を提出しました。

 

 

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