にしかわウイメンズヘルスクリニック

ドクターズコラム

子宮頚がんのはなし

2019.11.13 UP

今日は子宮頚がんの事を書こうと思います。私が、医者になって最初の受け持ちに若い子宮頚がんを患った女性がいました。彼女は不妊治療のため大学を受診した際の検診で子宮頚がんが見つかりました。不幸にも進行していたため、子宮を摘出せざるをえませんでした。残念なことに、手術をしても癌の進行は止めることができず、転移した癌の治療のために入院していました。当時としては新しい治療をいくつも試しましたが、効なくみんなの願いがかなわず亡くなりました。意識がなくなる前に主治医チームの一番下で働いていた私に震える手で手紙を書いてくれたことを昨日の出来事のように思い出します。30年経った今でも、子宮頚がんは若い女性の命を奪う恐ろしい病気です。その後、私は大学院で子宮頚がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の研究を行い、医学博士を取得しました。当時は子宮頚がんとHPVの関係がどんどん明らかにされていって、研究者としてはエキサイティングな毎日でした。ワクチンができて子宮頚がんが予防できるようになるなんて、その頃は夢にも思いませんでした。しかし、科学の進歩はめざましく、HPVワクチンが臨床応用され、今では子宮頚がん撲滅も夢ではない世の中になりました。日本では、残念ながらワクチン接種が止まっています。これから少しずつ、子宮頸がんの話、HPVの話を書いていこうと思います。

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