にしかわウイメンズヘルスクリニック

女性の健康

子宮内膜症の治療方針について

2021.06.05 UP

写真は米国生殖医学会の子宮内膜症治療についてのステートメントです。訳しますと「子宮内膜症は薬物療法を最大限に活用し、外科手術を繰り返す事を避けることを目標にした生涯にわたる治療計画が必要な“慢性疾患”である。」というようなことが書いてあります。

 

子宮内膜症は5〜10%の女性にみられる病気です。子宮外の場所に子宮内膜の組織が存在しているものと定義されています。特に骨盤痛は不妊の症状がある女性だと35~50%に子宮内膜症がみられます。

完治のためには手術が必要であり、外科手術が必要な病気です。しかし、手術をして病巣を切除しても、何回も月経(排卵)が繰り返されると、子宮内膜症は再発してきます。そのため、手術をする前に薬で治療して、手術をしないでもよくすること、手術をしなければならない場合は、その後に再発しないように薬を使うことがとても大切です。

 

子宮内膜症の治療に使う薬は、低用量ピル、黄体ホルモン(ジエノゲスト)、GnRHアゴニストが主体です。それぞれの薬には特徴があり、患者さんに適した薬が選択されます。これら3種類の薬はいずれもホルモン剤です。排卵を抑えて、子宮内膜症を治療する薬になります。そのため、妊娠希望の場合はこれらの薬は使用できないので、早く妊娠するように進めていく事になります。

 

子宮内膜症に悩む患者さんは多いので、何社もの製薬会社で新しい作用機序の薬が開発中と聞きます。早く患者さんに届くことを願っています。

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